仙台は杜の都と言われるだけあり、さまざまな樹種の街路樹が植栽され、新緑や紅葉、たくさんの花々といった景観を生みだしています。仙台の道路に植えられている主な街路樹をご紹介します。
仙台 青葉通のケヤキ
定禅寺通とともに杜の都のシンボル。仙台駅から西公園前までの1.5kmには223本ありますが、よく見ると成長が違います。国分町交差点から駅寄りは、通りが誕生した昭和25、26年に台原自然林から移植したもので、樹齢100年を超える大木もあります。西公園寄りは26、27年に苗木で植えられ樹齢50数年。ちなみに定禅寺通のケヤキは昭和33年に植えられました。
仙台 愛宕上杉通のイチョウ
イチョウは防火や防風に役立つため、街路樹として植えられてきました。愛宕上杉通のイチョウ並木の中でも、Date fmやNHKがある1kmほどは、特に「イチョウ坂」と呼ばれています。両側の歩道と中央分離帯に円錐形の頂点を真っすぐ延ばして並ぶ姿は壮観。晩秋、葉が色づくと、通りは一変。黄金色の木の下で銀杏を拾う姿が風物詩になっています。
仙台 西公園沿いのトウカエデ
仙台の街路樹では、ケヤキに次いで2番目に多いのがトウカエデ。ですがその名はあまり知られていません。ケヤキやイチョウに比べて小ぶりなので、幅の狭い道路の街路樹にも適しています。黄緑色の葉先を赤く染めた初々しい姿が、真夏の太陽を浴びると、カチッとした堅い表情に変身します。存在をアピールするのは晩秋。黄や赤が交じり合った紅葉は鮮やかです。
仙台 北目町通のユリノキ
仙台駅からほど近い北目町通には、SS30を見上げるようにユリノキが並んでいます。初夏、チューリップに似た淡い黄緑色の花を咲かせるから「チューリップツリー」、葉が職人の着るはんてんに似ているから「ハンテンボク」の別名も。上品な姿が好まれ、昭和38年、街路樹に選ばれました。当時は高さ3mほどでしたが、今では樹高15mにも達しています。
仙台 東北大片平キャンパスのメタセコイア
東北大片平キャンパス内の道路。その北門近くに、十数本のメタセコイアが勢いよく伸びています。300万年前に死滅したと言われた植物ですが、昭和20年、中国の四川省で発見され「生きた化石植物」として世界中を驚かせました。昭和24年にアメリカで育てられた苗が100本日本に贈られ、うち3本が仙台に。その原株から挿し木にして育てたのが今の並木です。
仙台 泉パークタウン寺岡のトチノキ
各通りごとに異なる表情を見せる泉パークタウンの街路樹。寺岡地区の通称「学校通り」には、歩道の車道側にトチノキが勢いよく育っています。夏には大きな手のひらのような緑の葉が重なるように生い茂って、涼しい木陰をつくり、晩秋には一斉に葉を落とします。パリの街路樹として有名なマロニエは、この木の仲間。6月上旬、円すい状の白い小さな花が集まって咲きます。