仙台伝統野菜をご存知ですか?
仙台には、仙台白菜、仙台曲がりネギ、仙台雪菜などの地場野菜があります。
これらは地元で古くから栽培されてきたもので、仙台ではよく目にするものでも他の地域では全く知られてないことがよくあります。
仙台の気候や風土に適した野菜として古くから栽培されてきた「仙台伝統野菜」です。
仙台伝統野菜の定義
戦前・戦後まで仙台地域の風土の中で作られていた野菜の中で、種が現存するもの。
または栽培の方法が仙台地域で独特な手法をとるもの。
という定義づけがなされています。
仙台伝統野菜の種類
仙台曲がりねぎ、仙台白菜、仙台長なす、仙台雪菜、仙台芭蕉菜、からとり芋
の6つの品種が選ばれています。
仙台曲がりねぎ
仙台の風土と伝統の技により生み出されたのが、仙台伝統野菜の一つである「仙台曲がりねぎ」です。「仙台曲がりねぎ」の発祥とされる仙台市宮城野区岩切地域では、地下水位が高く、立ちねぎの栽培に適していなかったため、「やとい」と呼ばれる独特の技術が考え出されました。栽培中のねぎを一度抜き取り、斜めに寝かせて土をかける「やとい」を行うことにより、曲がったねぎになります。白い部分が曲がっていることで、とても軟らかい食感となり、甘味が増すと評価されています。
仙台白菜
明治時代、中国の華北より導入した種子をもとに、松島湾内の馬放島(まはなしじま)で、当時の仙台市養種園の技師、沼倉吉兵衛氏が試作を繰り返し、20年の歳月をかけて完成しました。 採種地にちなんで「松島白菜」と名づけられ、全国デビューをかざりました。大正末期に東京や横浜等に出荷され、「仙台白菜」としてその名が全国的に広がりました。現在多く出回っている白菜よりも柔らかく、漬物にすると非常に美味といわれています。仙台からは貨車を利用し出荷されましたが、柔らかいためキズが付きやすく病気にも弱く収穫期間が短いなどの理由でその後の新しい品種に取って代わられました。
仙台長なす
仙台長なすの栽培は約400年の歴史があります。仙台藩祖の伊達政宗が文禄の役(1591年)に出陣したときに藩士の一人が博多から原種を持ち帰り、仙台の気候と風土によって長い年月をかけて独特の形になったといわれています。果実は黒紫色、ごく細長で先が尖り下ぶくれしていません。へたは小型で小さいトゲが少しあります。へた下は着色せず、皮は厚めですが柔らかいのが特徴です。仙台長なすは漬物が有名ですが、煮物、天ぷら、田楽などいろいろな料理に使われます。
仙台雪菜
ツケナ類の一つで、小松菜や長岡菜に似ています。葉は肉厚で丸型。カルシウムやビタミンAなどが豊富に含まれ、小松菜に匹敵する栄養素を含んでいます。霜に当たると甘味が増し、ほろ苦みとほどよく調和して雪菜独特の風味が出ます。食べ方はおひたし、みそ汁の具、炒め物などが一般的です。一般に流通している雪菜やちぢみ雪菜とは違うものです。
仙台芭蕉菜
主に漬物用として利用されています。ツケナ類の中では葉が大きく、葉の形が芭蕉に似ていることから命名されたようです。和種ナタネ類から分化したものといわれています。 東北から北関東にかけて、同じ「芭蕉菜」と呼ばれるツケナが栽培されていますが、こちらは辛みがあることからタカナの仲間に属します。この芭蕉菜と区別するために「仙台芭蕉菜」と呼ばれています。
からとり芋
サトイモの葉柄(ようへい)は「ずいき」、「あかがら」などと呼ばれています。この葉柄をとるサトイモが「からとり芋」です。 全国的には葉柄が緑色(青茎)のサトイモが広く栽培されていますが、仙台地方では赤茎と呼ばれる茎の赤いものが「ずいき」として栽培されています。独特の歯ざわりがあり、生でも食べられますが、干したものは正月の雑煮など汁物の具として用いられています。